国内線最新機材「787-9」(78G)の洗練された空間へ


修行の舞台は羽田空港。63番ゲートから搭乗するのは、ANAが誇る国内線最新仕様機、ボーイング787-9(通称:78G)です。
一歩機内に入ると、これまでの国内線エコノミーの常識を覆す光景が広がっていました。
この78Gに搭載されているのは、ANAがトヨタ紡織株式会社と共同開発したこだわりのシートです。


【注目】 このシートの質感。普通席とは思えないほど洗練されたデザインに、期待が高まります。
最大のトピックは、国内線普通席としては最大となる13.3インチのタッチパネル式パーソナルモニター。 さすがトヨタ紡織開発、どのような体格の方にもフィットする形状を追求しているだけあり、2019年度にグッドデザイン賞を受賞しているのも納得の座り心地です。最新のエンターテインメントをこの巨大な画面で楽しめる贅沢こそ、78G搭乗の醍醐味と言えるでしょう。

これからANAで最新の居住性を体験したいという方へ。予約画面で迷ったら、以下の機材コードを探すのが正解です。
- 787-9: すべて新仕様(78G)への改修が完了済み。ハズレなしの安心機材。
- 722: 777-200ERのうち、トヨタ紡織シートが導入された新仕様機。
この2つを選べば、13.3インチの巨大モニターと、グッドデザイン賞受賞の快適なシートが約束されます。せっかくの空の旅、機材選びから「修行」は始まっているのです。
【正直レビュー】身長175cmの視点から見た78Gの居住性
ひとつ、これから搭乗される方へのアドバイスを。 モニターやシートの質感は最高ですが、居住性については「タイト」であることを覚悟しておいた方がいいかもしれません。
身長175cmの私が座ると、787特有の機体形状(壁の湾曲)も相まって、特に窓側はかなりの圧迫感を感じます。 最新機材で装備が充実している分、空間的な「ゆとり」については、以前の大型機に軍配が上がるのが正直なところ。777-200ER(722)はそれなりに広く感じるのですが。
ここで、実際に搭乗して気づいた「重要ポイント」を一つ。
最新機材ということで、USB Type-Cを期待される方も多いかもしれませんが、78Gの電源装備は以下の通りです。
- USBポート(Type-A):1基
- ACコンセント:1基(足元)
最新のiPhoneなどType-Cケーブルしか持っていない方は、アダプターを用意しておく必要があります。こうした細かい点は、実際に座ってみないと分からない「一次情報」ですね。
タキシングで見つけた「再会」と「特別塗装機」
滑走路へと向かうタキシング中も、修行僧の目は休まりません。


国際線PBBに目を向けると、そこには昨日、金浦から私を運んできてくれたJA622A(767-300ER)の姿が。24時間経たずしての再会に、修行の連続性を感じずにはいられません。
(前回の金浦から羽田までの搭乗記はこちら)
さらに、D滑走路の手前では、今ANAで最もホットな機体、「イーブイジェットNH(JA784A)」がオープンスポットに鎮座していました。
国際線仕様の777-300ERに施されたこの特別塗装は、今やANAのブランド戦略の要。こんな間近で見られるとは、今日のフライトは幸先が良い……そう、この時は思っていたのです。

写真の手前、エンジンに刻まれた「ROLLS ROYCE」のロゴと鷲のマークにご注目。 先述の通り、2026年1月をもって国内線787-9は全機改修が完了しました。 そのため、このように外見は「RRエンジン搭載の789」であっても、機内に一歩入れば最新の「78G仕様(トヨタ紡織シート)」が広がっている。 まさに、過渡期を終えた現在のANAを象徴する一枚です。
富士山とコーヒー、そして静かに忍び寄る「絶望」
離陸後、安定飛行に入ると機内には穏やかな時間が流れます。


右側K席に座った特権、それは窓の外に広がる圧倒的な富士山のパノラマです。雪を冠したその姿を眺めながら、ANAの温かいコーヒーを啜る。これぞ修行の醍醐味、至福のひとときです。
しかし、この平穏は長くは続きませんでした。
機内Wi-Fiに接続し、何気なくスマホの通知を確認したその瞬間、私の背筋に冷たいものが走ります。
「会社のシステムに障害発生。至急確認を」
最新機材の快適なシートも、13.3インチの美しいモニターも、一瞬で景色が変わりました。石垣島まであと数時間。この青空の上から、私は戦いの渦中へと引きずり込まれることになったのです。
石垣到着、そして「滞在時間60分」の即時撤退
石垣空港に降り立った私を待っていたのは、南国の風……ではなく、さらに深刻度を増したシステム障害の進捗でした。


本来なら、ここで石垣牛カレーに舌鼓を打ち、青い海を眺めてリフレッシュするはずの旅。 しかし、Wi-Fiを通じて届く情報を整理した結果、私の出した結論は**「即時の撤退」**でした。
現場に戻らなければ解決できない。そう判断した瞬間、私は到着ロビーを素通りし、カウンターへと向かいました。
究極の「おまけ」:ANAスタッフの神対応と、わびしい昼食
ここで今回、記事には詳しく書きませんが、特筆すべきはANA地上スタッフの柔軟な対応です。
「緊急で仕事に戻らなければならない」という事情を汲み取っていただき、帰還便(石垣→関空)では作業スペース確保のために、普通席最前列(バルクヘッド)への変更、さらに隣席ブロックという、これ以上ないバックアップをいただきました。


石垣島での唯一の「食事」は、制限エリア内のANA FESTAで慌てて買った鮭おにぎりとスナック。 3席独占という広大な(?)オフィス環境を整えていただいたおかげで、帰路はひたすらキーボードを叩く「戦場」となりました。
今回の修行で得たもの
石垣の海を見ることも、石垣牛を味わうこともなかった今回の旅。 手元に残ったのは、3席独占のバルクヘッドで必死に叩き続けたPCのログと、ANA FESTAの鮭おにぎりの包み紙だけでした。
でも、これが「ダイヤモンド維持修行2026」の、一つのリアルな姿です。
最新機材78Gの素晴らしさを知り、そして有事の際のANAスタッフのプロフェッショナルな対応に救われる。 「真似されたらたまらない」ような過酷な行程でしたが、これもまた、空を飛ぶ楽しみの一つ……。
……と、自分に言い聞かせつつ、次のフライトでは「本来の石垣島」をリベンジすることを、心に強く誓いました。
これにて、いったんANAの海外発券(金浦発券の往路)はいったん終了になります。続きの復路は4月に予定しておりますので、ぜひ皆様遊びに来て下さいね。


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